最上稲荷

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稲荷泰秀副山主 成満記念に遠方の篤信を訪問

今年の2月10日、稲荷泰秀副山主は日蓮宗の100日に及ぶ寒中の大荒行を成満されました。これを記念し、今まであまり訪れる機会がなかった、古くから最上尊を信仰される関東方面の篤信を中心に、3回に分けて足を運ばれました。その時の様子をご紹介します。

3月24日の午前に訪れたのは、東京都は葛飾区、映画寅さんで有名な柴又帝釈天の参道にお店を構える、鰻・鯉料理の老舗「川千家」さんです。その歴史は250年にも及び、多くの人に親しまれてきました。
先代社長(9代目)で現会長である天宮吉久様のお祖父様が最上尊へのご信心を始められたとのことで、今も毎年5月には当山にお参りなさいます。
当日は、会社の一角に建立された最上さまのお社の前で会社の繁栄を祈ってご祈祷した後、吉久様、久嘉様をはじめとする関係者の方々とご歓談されました。

最上さまをお祀りするお宮
会長・天宮吉久様(右) と 久嘉様


同日午後には、株式会社川千家からほど近い、内・外装工事やリフォームを手がける江戸川区の中川インテリア株式会社を訪問しました。
代表取締役社長の中川晶博様と取締役の照博様に迎えられ、和やかなひとときを過ごされました。お話によれば、 晶博様のお父様が身を粉にして働いていた若かりし頃、大変に目をかけてくださったお上人のお寺が最上尊をお祀りしていたことからご信心が始まったそうです。ご自宅のお庭と社長室で最上尊をお祀りしておられるとのことで、今回は社長室の神棚の前でご祈祷をおさめ、薫香を手向けました。

社長室でのご祈祷風景
社長・中川晶博様


そして日を改めた4月9日、東京都港区虎ノ門にある明治45年6月創業のオフィス用品の専門商社、株式会社オカモトヤを訪れました。会長の鈴木眞一郎様の祖母である創業者の鈴木よ志様が、90年位前にご近所の知り合いから紹介されて始められた最上尊信仰が今日まで続き、都心のオフィスに据えられた大型の神棚は、屋久杉を使用して作られたというオーダーメイドの特注品。オフィスのどこにいても見えるという神棚に祀られた最上さまが日々社員を見守り、会長ご自身も毎日の出勤後、手を合わせてから一日を始められるそうです。
この日はご祈祷を受けるためご尊像は別室に設けられた祭壇へと移動し、稲荷副山主はねんごろに読経と木剣修法をおさめ、会社の発展を祈りました。

お祀りするご尊像
鈴木美樹子社長ら参集のもとご祈祷


翌10日には、横浜市にある自動車部品製造の大塚工機株式会社へと向かいました。会社ビルの屋上には鳥居とお社があり、その中に据えられた神棚には、お曼荼羅、ご尊像、お札などが祀られています。
手先が器用だった創業者の大塚竹次郎氏が、かんざし等の家内制手工業の仕事から、昭和の初めに自分の技術を生かすため、大量生産のできるプレス設備を導入し、プレス部品の量産を始めたとのことです。今日では重要保安部品であるパーキングブレーキ・ブレーキペダルを、日系自動車メーカーに納入されています。
当山とのご縁は、親戚の会社で最上稲荷の信仰の話を聞き、戦地に赴く社員にお札を託し、多くの従業員が無事に帰還したことがきっかけだそうで、その後も社員の健康と安全、そして社業の発展のために信仰を深められました。
現在世界数か国に拠点をもち、2021年には創立100周年を迎えた同社の更なる躍進を願い、稲荷副山主は清らかな祈りを捧げました。

屋上に設置されたお宮
副山主に撰経をあてていただく大塚哲弘取締役(右)


そして4月16日・17日の両日にわたり、サントリーホールディングス株式会社の東京・大阪の2か所を訪れました。サントリーの創業者である鳥井信治郎氏は大変熱心な信心家で、最上稲荷にも古くからお参りをされ、当山歴代の山主との親交も深く、いただいたお手紙は今も大切に保管されています。また、仁王門に収められてる白狐像は、まだ寿屋だった頃の1959年にご寄進いただいたもので、七十七末社のひとつ、日車天王周辺の玉垣にも信治郎氏の名前はしっかりと刻まれています。サントリーの方々はお参りの際にその文字を目にとめると、感慨深げに眺めておられました。
東京のサントリーワールドヘッドクォーターズの屋上には鳥居とお社があります。本社の大阪オフィスでは敷地の一角にモダンなお社を構えていて、どちらも信治郎氏が商売繁盛・社運隆盛を祈念し、当山より分霊されたものです。毎年収穫の秋には僧侶を招いて大祭を行い、ご祈祷を受けておられ、稲荷副山主は同社の輝かしい歴史を振り返るとともに更なる飛躍を祈念し、木剣修法を収めました。

サントリーワールドヘッドクォーターズ
サントリーホールディングス株式会社 大阪オフィス

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